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[mule-cgreek:00763] Re: iota adscriptum in Unicode



高橋さん、

ちょっと、database.el が一段落つきそうなので、前のメールを読み直していました。

下書のイオタの件ですが、この間「鎌田さんと同じ意見です」と書きましたが、結論
的にはそうなのですが、少し補足したいことがあって書きます。

 
> Unicode 3.0 では、今の CGreek で使っているのよりもずっとたくさんの文字
> (の組み合わせ) にコードが割り振られています。たとえば
> 
>   気息記号 + アクセント + 大文字母音 + 並記のイオタ
> 
> なんていうのにも一つ一つ独立したコードが割り振られています。これは今の
> CGreek では
> 
>   (気息記号 + アクセント) + 大文字母音 + イオタ
> 
> と3文字で表示されることになります。で、質問なんですが、
> 
> Q1.「気息記号 + 大文字母音」(あるいは「アクセント + 大文字母音」、ある
>    いは「気息記号 + アクセント + 大文字母音」)は今まで通り2文字として
>    扱うべきでしょうか、それとも Unicode 流に1文字として扱うべきでしょ
>    うか?
> 
> Q2.「大文字母音 (気息記号とアクセントはあったりなかったり) + 並記のイ
>    オタ」は今まで通り2文字ないし3文字として扱う方べきでしょうか、それ
>    とも Unicode 流に1文字として扱うべきでしょうか?
> 
> 素人的考えですと、1.は1文字として扱った方が便利なんじゃないかと思いま
> す。大文字と小文字の対応がきれいにとれるからです。
> 
> 2.の方はちょっと難問です。手元の本によりますと
> 
> a) 固有名詞等で主母音が大文字で書き始められる場合、並記のイオタ自身は
>    小文字のイオタで書かれる
> 
> b) すべての文字が大文字で書かれる場合、並記のイオタ自身も大文字になる
> 
> ということになっています。が、Unicode 3.0 に入っている「大文字母音 + 
> 並記のイオタ」におけるイオタは常に小文字です。つまり、もし Unicode 流
> を採用するとなると、
> 
>   「小文字母音 + 下書きのイオタ」と「大文字母音 + 並記の(小文字)イオタ」 
>   の二者は capitalize-word (M-c) と downcase-word (M-d) で相互変換可能
> 
> なのにもかかわらず、ひとたびこれを upcase-word (M-u) で全部大文字にし
> てしまうと、イオタが並記なのかそうでないのかがわからなくなってしまいま
> す。たとえば aima が全部大文字で AIMA と書かれていた場合、このIが並記
> のイオタなのか、それとも独立したイオタなのかを機械的に判断することはで
> きません。これでは検索時に困るのではないでしょうか?
> 
> ちょっとややこしい話になったかもしれません。別の言い方をすると、もしで
> きる限り1文字としてまとめて扱う方式を採用した場合、「母音 + 並記のイオ
> タ」という組み合わせ(文字的には1文字)と、「母音」と「独立イオタ」の連
> 続(文字的には2文字)は区別されるべきか否かが知りたいわけです。そんなの
> どっちでもいいよ、というのならもちろんそれでも構いません。

多分このような設定になっているのには、ギリシア語の歴史的経緯の問題がある、
と思います。

(1) 実は、古典ギリシアの時代には、「小文字」はなくて、大文字ばかりでした。
     (小文字は、文字を写本として書き写してゆく中で中世にできました。)

(2) また、「下書のイオタ」も古典時代にはなくて、「通常のイオタ」として
    一文字で書かれており、前の母音とは別の二文字でした。

(3) さらに、いわゆる「気息記号」、「アクセント記号」も古典時代の写本には
    なく、これも中世の文献学者が発明したものです。

(4) また、単語を区切るスペースもなく、すべての単語は (日本語と同様) 続け
    て書かれていました。

  # 学生時代に、ギリシア語の試験で、すべて大文字ばかりで書かれていて、単
  # 語の区切りのない、気息・アクセント記号のないギリシア語を、通常の形式
  # に書き直し、訳せ、という問題が出たことがあって、ひどく悪い成績をとっ
  # たことがあります (^^;)
  #                                 .... 東大の久保正彰先生の授業でした。

というわけで、「碑文」や「写本」の研究などをやろうとする人にとっては、下書
のイオタは、二文字になっていた方がよいわけです。そもそも単語の区切りなどが
問題になってくるわけですから ....

ちょっと答えになっていないのですが、結論的には、両方扱えるようになっていた
方がよい、ということになりましょうか。

ご参考までに。


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                                             Prof.Kenji Mizuochi 水落 健治
                                                    Meijigakuin University
                                    E-Mail: mizuochi@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
                                                     knj_miz@xxxxxxxxxxxxx
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